2021年12月15日/あいリレー福祉事業グループ合同法要会(石岡研修道場晋山荘)
あいリレー福祉事業グループをご利用され、今年他界された方々のご冥福を祈る法要会が執り行われました。
毎年12月15日に行われており、今回で8回目となります。
今年は亡くなったご利用者様の家族12名と職員28名の参加となりました。
施設職員は、ご利用者様が亡くなられた時でも他の利用者様の介護に従事しなければならないため、
なかなか追悼の意を表すことができません。
亡くなられた方の供養をご家族の皆様と共に行うことで、
心残りの中過ごしている職員の心のケアにもなり、日々の介護の力に繋がっています。
法話
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今日はあいリレー福祉事業グループ追善供養を行いました。ご利用者の方がお亡くなりになっても施設でご供養をするのはなかなかできませんので、この法要会では生前を思い出しながらご供養をさせて頂いております。
亡くなった方はどこへ行くのか、と聞かれることがあります。「天国」という言葉がよく使われますが、これはキリスト教系の言葉です。仏教系では「浄土」と言います。宗派によっていろいろあります。天台系では東方にある「瑠璃光浄土」、浄土系では阿弥陀如来のいらっしゃる「西方浄土」、密教系ですと「大日如来を中心にした胎蔵曼荼羅、金剛界曼荼羅の両界曼荼羅を浄土」としております。今日お勤めした法華経系では、お釈迦様と多宝如来が主宰する「霊山浄土」です。そこはどこか?と聞かれても行ったことがないからわからない、なぁんて言うとお坊さんの世界では怒られちゃうんです。
でも、法華経を何度も何度も読んでいると、お経に書いてある情景が思い浮かんでくるのです。法華経はお釈迦様が晩年に自らの意(こころ)に随ってご自身の本心を説いた随自意(ずいじい)のお経です。つまり法華経がお釈迦様であり法華経を信じる人は常にお釈迦様と共に生きていると実感することができるのです。お釈迦様が法華経で説かれている、宇宙の統一的真理=一乗妙法蓮華経、久遠の人格的生命=久遠実成の釈迦牟尼仏、現実の人間的活動=菩薩行道。その一番目の「宇宙の統一的真理」=「一乗妙法蓮華経法」とは、みんな誰でも悟りを開けるということ。二番目の「久遠実成の釈迦牟尼仏」とは、実はお釈迦様はご自身が生まれるずっと前から存在していて、そして亡くなった後もずっと生きていらっしゃるということ。三番目の「現実の人間的活動」=「菩薩行道」とは、日々の我々の行い、これは私たちが生まれた時から心の中に持っている仏の心、すなわち菩薩行道のことで、生きているだけで他人の役に立っている将来にも役に立っていくということです。人の役に立っているということは必ず伝わるのです。
自分が存在するには、先ず父母がいて、そのまた両親がいる、というふうにたどっていくと七代遡ると128人のご先祖様がいらっしゃる、十代遡ると1024人のご先祖様がいる。生を受け今ここに自分が生きているということはとても有難いことなのです。
では亡くなった方はどこにいるのか?自分の心にいるのです。自分が心のなかで浄土を描いて、自分の信じるところの浄土にいるんだ、と思うことが菩薩道としての功徳なのです。自分が悟りを開けるということは、会ったこともないたくさんのご先祖様のおかげだと感謝するのです。そして、困っている人がいたら何かしてあげる。他人に笑顔を向けるだけでもお布施になるのです。
これからいろいろな場面で亡くなった方を思い出すことがあるでしょう。私たちが生きているこの娑婆世界が浄土なんだと思うことで、亡くなった方も一緒に存在するのです。
今日はありがとうございました。