2023年3月18日,20日/春季彼岸法要会(あいリレー福祉事業グループつくば地区,石岡地区)
説法
今日はお彼岸の期間中ですので、皆さんのご先祖様の供養をさせて頂きました。
私たちが生きているこちら側を此岸といい、亡くなったら行く向こう側を彼岸といいます。人が亡くなると「成仏した」とよく言いますが、これは悟りを開いて彼岸に行くことを言うのです。
私たちは生きている間、菩薩(ぼさつ)道(どう)の修行をして悟りを開いて彼岸に行くのです。
「修行」と聞くと、何か難しい辛いことをしなければいけないと思うかもしれませんが、そうではありません。六波羅蜜(ろくはらみつ)という菩薩がする六つの修行があります。布施(ふせ)、持戒(じかい)、忍辱(にんにく)、精進(しょうじん)、禅定(ぜんじょう)、知恵(ちえ)の六つです。
私は、まず皆さんに布施することをお勧めします。
布施には、
「財施(ざいせ)」お金や衣食などの物資を必要とする人に与えること
例えば、お寺にお布施をしたり、観音様に食べ物やお花など何かお供えをしたりすることです。
「法施(ほうせ)」お釈迦様の教えを他の人に教えて、その人の心に安らぎを与えること、精神面でつくすこと
「無畏施(むいせ)」他人の悩みを聞いて、恐怖や不安、脅え(おびえ)慄き(おののき)などを取り除いて、安心させることがあります。
でも、自分にはお金もないし、知恵もない、人を救うなど難しくてなかなかできないと思う人の方が多いかもしれません。
大丈夫です。お釈迦様は言っています。そういう人でも「無財(むざい)の七施(しちせ)」という、七つの施しをすることができる、と言っています。
その中でも、「優しい目」、「やわらかな顔」、「優しい言葉」の三つは、皆さんがすぐに実行できることだと思います。
優しい目を向けられると、気持ちがほっとしますね。やわらかな顔で接してもらうとうれしくなりますね。愛情こもった思いやりのある言葉と態度なら、叱られても頑張れますね。
隣の人、ご家族の方、職員さんなどに笑顔一つを向けるだけでいいのです。「ありがとう」と言ってあげるだけでいいのです。立派な修行です。
他人のために何かしてあげよう、と思い実行すること、席を譲ることもその一つです。ご先祖様に感謝する気持ちも修行の一つです。そのようなちょっとした心遣いができる、それが六波羅蜜の修行になるのです。
これから暖かな季節になり、皆さんも過ごしやすくなります。どうぞ、このような気持ちを持ちながら、日々お元気にお過ごしください。
今日はありがとうございました。(参加者 計310名)